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縮毛矯正と酸熱トリートメントの違い

はじめに、酸熱トリートメントとは?

最近よく耳にするようになった酸熱トリートメントですが、厳密に言うと実はトリートメントとは少し違います。

髪質改善という意味ではトリートメントの範囲に入るかもしれませんが、実際に使っているのは「薬剤」です!

色々な解釈の仕方はあるとは思いますが、トリートメントとはダメージした毛髪の内部に、補修成分を浸透させて、一時的に、あるいは疑似的に髪の毛がダメージする前の状態にしてくるもの。といった感じです。

酸熱トリートメントの場合は前処理などで補修成分を使うのでトリートメントとも言えるかもしれませんが、主成分は酸性の薬剤を使用しているので厳密にはトリートメントとは言いにくいかもしれません。

「薬剤」を使った施術。といった方がいいかもしれませんね。

酸熱トリートメントをする場合の主成分としては「グリオキシル酸」や「ジカルボン酸」が多いかと思います。

最近ではジカルボン酸よりグリオキシル酸を使ったものの方が多い感じ?がします。

ではこの酸熱トリートメントでなぜ髪質改善ができるか?

それは主成分である「グリオキシル酸」が髪の内部のダメージホール(ダメージでできた髪の空洞のようなもの)を埋めてくれるから。そして髪の表面部分にあたるキューティクルを補修してくる効果があるから。

もう少し詳しくお話しすると、髪の主な結合の一つであるシスチン結合(S-S結合)が切断された際に、再結合できなかった場所に上記のダメージホールができるのですが、そのダメージホールの部分に酸熱トリートメントの主成分である「グリオキシル酸」と「アミノ基」が熱(アイロン)による化学反応を起こし、「イミン基」という新たな結合を作ることで、失われてしまったS-S結合の代わりに髪の毛の骨組みになることで髪質を改善してくれる。という事らしいです。

らしい。という言葉を使わせてもらったのは、美容業界でもまだまだ諸説あるので断言しにくいところもあり、この場では言葉を濁させてもらいます。

しかし、実際に酸熱トリートメントの施術をお客様にさせていただくと、髪質にもよりますがやはり従来のトリートメントともストレート施術とも違う新たなメニューとしてとても魅力的だと思います。

もちろん薬剤を使う施術なので、ちゃんと理解したうえで施術ができる美容師さんでないと失敗する可能性もあると思います。

酸熱トリートメントが向いている方としては

〇ハイダメージ毛で、従来のトリートメントでは持ちが悪い方

〇ストレートの施術をするほどではないがうねりや広がりが気になる方

〇加齢による髪質の変化(パサつき、ごわつき)が気になる方(エイジング毛の方)

などにはおすすめできるのではないでしょうか。

では縮毛矯正とは?

縮毛矯正とはご存知の通り癖毛やボリュームで広がってしまう髪をストレートにする施術になります。

よく聞かれるのはストレートパーマとはどうちがうのか?などです。

ストレートパーマとの違いとしては、簡単に言うと途中でアイロンの施術が入るかどうかの違いです。

ストレートパーマはアイロン施術が入らないので、通常のパーマと同じく時間とともに元の癖毛の状態に戻ってしまうのと、癖の伸びが熱処理していない分伸びにくいという点があります。

縮毛矯正はアイロン施術が入るので癖がしっかりと伸びて、一度かけたところは半永久的にストレートのままになります。

癖を収めて、綺麗なストレートヘアをしたい方は縮毛矯正。軽くボリュームを抑えたり、残っているパーマを落としたい方などはストレートパーマが向いているかと思います。

では、縮毛矯正とはどういった工程の施術になるか簡単ですが説明していきたいと思います。

まず初めに縮毛矯正の一剤をつけるのですが、この薬剤を反応させることにより、毛髪内部の結合を一時的に切断して、ストレートの形を作って再結合させることにより真っすぐなストレートヘアを作っていきます。

一剤の反応によって切断された結合を、アイロン施術の熱処理でストレートの形状を固定します。このアイロン施術のおかげで、縮毛矯正の半永久的な持続力が保たれます。

アイロンの熱処理が終わった後に、今度は2剤による形状の固定と、一剤で切断した毛髪内部の結合を再結合させます。

一剤による毛髪内部の結合を切断する反応を「還元」と言います。

そして、一剤で切断した結合をもう一度繋ぎ直す反応を「酸化」といいます。

縮毛矯正はこの「酸化」と「還元」の反応を利用して、癖でうねる髪の毛を真っすぐの形にしています。

ちなみにこの「酸化」と「還元」の反応を利用した施術は、パーマなどにも使われています。

このように、縮毛矯正は毛髪内部の結合の切断と再結合を利用して髪の毛を綺麗なストレートヘアーにする施術です。

なので、縮毛矯正が向いている髪質の方は。。。

〇酸熱トリートメントや、ストレートパーマでは癖が伸び切らないほど強い方。

〇一度かけたら基本的には取れることがないので、朝や普段のお手入れを簡単にしたい方。

〇雨の日や湿度の高い日などに広がってしまう方。

などの方などにお勧めできます。

単純に癖毛が大変。ということですね。

縮毛矯正と酸熱トリートメントのちがい。まとめ

上記の説明だけではわかりにくいところもあるかと思いますが、酸熱トリートメントと縮毛矯正のちがいとしては。

酸熱トリートメント

〇薬剤を使用するが、トリートメントとしての施術なので基本的にはダメージはしない。

〇髪の結合を作り直してくれるので、ダメージヘアに向いている。

〇エイジング毛の方。加齢によりパサつきやうねりが出ている髪質。

〇髪にハリやコシを出したい方。細毛の方や軟毛の方

〇副次的な効果として癖が少し収まるが、縮毛矯正ほどストレートになるわけではないので、癖を何とかしたい方は縮毛矯正の方があっている。

〇施術回数が多すぎたり、薬剤の使用の仕方を間違えると髪質が固くなってしまったり、ダメージが出たりする場合もある。

縮毛矯正

〇毛髪内部の構造を変えることで、癖をしっかりとしたストレートヘアにできる。

〇施術に熱処理が入ることにより、ストレートパーマと違い半永久的に効果を持続させることができる。

〇雨の日、湿度の高い日でも広がったりうねったりしない。

〇薬剤での処理、熱処理など髪への負担が大きいので、ダメージのリスクがある。

〇髪質や毛髪の状態判断、薬剤知識などしっかりとした技術と経験がない美容師がやると失敗されるリスクがある。

といった感じで酸熱トリートメントと縮毛矯正は目的も役割も全然ちがいます。

どちらが自分の髪に向いているかは美容師さんとしっかり相談して決めるのが一番いいかと思います。